フィリピンの医学部留学が向いているのはどんな人?医療系に強い大学は?

フィリピン 医学部 留学

フィリピンだと安い費用で医学部留学ができると聞いたんだけど

「フィリピン医学部留学の特徴は?」

「フィリピン医学部留学って私に向いているのかな」

「フィリピンで医療系に強い大学が知りたい」

と悩んでいませんか?

医師になるための最初のステップとして一般的なのは、難易度の高い国公立医学部を目指すか、高額な学費がかかる私立大学を選ぶかですが、敢えてフィリピンの医学部へ進学する学生もいます。

なぜなら、日本の医学部へ通うよりも学費が大幅に安くなる上に入学しやすく、フィリピンで取得した学位で日本の医師国家試験の受験資格が得られる可能性があるからです。

そこで今回は、留学エージェントのWebライターで合計3年間の海外留学をした私が、フィリピンの医学部留学について解説します。

この記事では、フィリピンの医学部留学が向いている人と医療系に強いフィリピンの大学についてお伝えします。

この記事を読むと、フィリピン医学部留学への理解が深まり、自分がフィリピンの医学部へ留学するべきなのか、留学するならどの大学に行けばいいのかがわかります。

結論をお伝えすると、日本の医師免許取得が目標であれば日本の医学部へ進学した方が良いと言えますが、医療系の知識や医療英語を身につけたい場合には、フィリピン医学部留学の方がコスパ良く勉強をすることができます。

目次

フィリピン医学部留学の特徴

まずは、フィリピン医学部留学の特徴を5つご説明します。

入学には大学卒業以上の資格が必要

フィリピンはアメリカの教育システムを取り入れているため、医学部へ入学するには大学卒業以上の資格が必要です。

日本だと高校を卒業してすぐ大学の医学部へ進学して、6年間勉強した後に医師の国家試験を受けられますが、フィリピンだと大学4年と医学部4年を修了しなければならないので、試験を受けるまで最低8年間かかります。

学費が圧倒的に安い

フィリピンの医学部の学費は高くても年間60~70万円ほど、4年間では240~280万円と日本と比べて学費が圧倒的に安いです。

日本でも国公立だと6年間で350~400万円くらいですが、入学するまでの難易度がかなり高く、比較的入学しやすい私立だと6年間で2,000万円以上もかかるので、どちらもハードルの高い選択肢となっています。

入学は比較的簡単

一般的にフィリピンの大学は入学しやすいと言われていますが、医学部への入学も比較的簡単です。

入学試験としてNMATという大学入学共通テストのような試験を受けなければなりませんが、指定以上のスコアが取れれば後は面接試験のみで合格が決まる大学がほとんどです。

卒業するのが難しい

フィリピンの大学は入るのは簡単ですが、卒業するのはとても難しいです。

膨大な量の課題や試験範囲をこなすのは容易ではなく、成績が足りなくて留年や退学処分となってしまうケースが非常に多いです。

医療系分野の基礎知識はある程度必須

フィリピンの医学部に入るためには大学の学位が必要ですが、過去の専攻が教育やITなど医学とは関係なくても出願することができます。

しかしながら、フィリピンの医学部には医療系学部で4年間学んできた学生や、既に看護師免許を取得している学生も多く在籍しているため、ある程度の医療系分野の基礎知識がないとクラスについていくのが厳しいという現状があります。

フィリピンで医学部留学をすれば医師免許が取りやすくなる?

ここでは、フィリピンで医学部留学をすると、医師免許が取りやすくなるのかについてお伝えします。

国家試験前に予備試験の合格が必要

日本では6年間の医学部課程を修了すると医師国家試験の受験資格が得られますが、フィリピンの医学部を卒業した場合は日本の厚生労働省から国家試験の受験資格認定を受けなければなりません。

無事に認定を受けたとしても国家試験前に予備試験へ合格する必要があるので、通常よりも手続きが少し複雑です。

1年以上の実地修練も必要

予備試験に合格した後は、診療および公衆衛生に関連する実地修練を1年以上行う必要があります。

実地修練は、大学附属病院などの指定医療機関で実際に業務を行いながら、医師として身につけるべき知識やスキルを体得することが目的とされています。

海外の医学部卒業生は不利になるかもしれない

上記2つの条件をクリアすると医師国家試験を受験することができますが、海外の医学部卒業生は今後不利になるかもしれません。

その理由は、今後10年以内に日本は医師過剰時代に突入すると予想されており、大学の医学部を始め、2023年以降は医師定員を削減しようという流れがあるからです。

国家試験制度が変更になる

また、現時点で予定されている国家試験制度の大幅な変更が実施されると、CBTやOSCEと呼ばれる共用試験の事前受験および合格が追加条件になります。

したがって、日本の医師免許取得を目指す海外大学の医学部生は、今後厳しい状況に置かれることになるかもしれません。

フィリピンでは外国人が医師免許を取得することは困難

一方で、フィリピン国内の医師免許取得を考える留学生もいますが、フィリピンでは外国人が医師免許を取ることは非常に困難です。

最近では外国人医師に対する規制が厳しくなり、医師免許を取得できるのは基本的にフィリピン国籍保持者かフィリピン人の配偶者に限定されています。

フィリピン医学部留学が向いている人

以下では、フィリピンの医学部留学はどのような人に向いているのかを解説します。

医療系の知識を身につけたい

前項で説明したように、フィリピン医学部留学で医師免許取得を目指すのは現実的ではありませんが、教養として医療系の知識を身につけたい人にはおすすめです。

実際の医療現場で使える専門的な知識に加え、日本の医療システムとの違いやフィリピンの医療に対する考え方を、コスパ良く学ぶことが可能です。

英語力を伸ばしたい医療従事者

日本で既に医療従事者として働いており、英語力を伸ばすために留学する方も多いです。

日本語が話せない在住外国人へ英語で対応できれば、より多くの患者さんを助けられるようになるはずです。

医学部へ再入学してみたい人

大学を卒業して社会人として働いているものの、医学部へ再入学してみたいと考えている人は、フィリピン医学部留学が合っているかもしれません。

大学時代の専攻が医学とは全く関係なくても入学することができますし、学費も安いため進学のハードルが低く挑戦しやすいです。

フィリピンで医療系に強い大学5選

最後に、フィリピンで医療系に強い大学を5つ選んでみたので参考にしてみてください。

サントトマス大学

マニラ市にあるアジア最古の大学で、学生数約4万人の大規模な私立大学です。

フィリピンの大学ランキングでは常にトップ5に入る上位校で、フィリピンで最初に設立されたサントトマス大学の医学部は、国内で最も優秀な医学部の1つとして知られています。

フィリピン大学マニラ校

フィリピン大学(国立)の8つのキャンパスの1つで、医療系の学部は国内トップレベルとして評価されています。

政府や医療機関とも提携しており、フィリピンの医療発展には欠かせない重要な役割を担っている大学なので、医学部留学にはかなりおすすめです。

大学病院の運営もしているため、より実践的な内容を学ぶことができます。

サウスウェスタン大学

セブ島にある私立大学で医療分野に強みを持っており、特に医学部は国内でもハイレベルな学生が集まることで有名です。

フィリピンの医師免許試験では、サウスウェスタン大学の学生の合格率は9割以上で、成績上位者を多数輩出しています。

留学生の受け入れにも積極的で基本的に入学試験がないため、30ヵ国以上の外国人が在籍する国際色豊かな環境となっています。

イースト大学

マニラ市に設立された規模の大きい私立大学で、フィリピンで最初に歯学部を設けたことから、歯学系分野でレベルの高い教育を提供しています。

最先端の設備と豊富な医療専門書を揃えているため、質の高い教育環境で専門的な内容を勉強することができます。

シリマン大学

ドゥマゲテにある私立の名門大学で、40ヵ国以上から留学生が集まる国際的な教育機関です。

医療系の学部では看護学部が政府から高い評価を受けており、たくさんの卒業生が看護師・医師として活躍をしています。

入学試験は原則ないので、外国人でも進学しやすい医学部です。

まとめ

今回は、フィリピンの医学部留学はどのような人に向いているのかと、フィリピンで医療系に強い大学はどこかをお伝えしました。

フィリピンで医学部留学をすると、安い学費で専門的な内容を学ぶことができるので、医療系分野の知識を身につけたい方や医療英語を学びたい医療従事者にはおすすめです。

ただし、日本の医師免許を取得したい場合は、日本の医学部へ進学した方がスムーズに手続きを進めることができるでしょう。

よくある質問

フィリピン医学部留学の学費はどのくらいですか。

高くても年間60~70万円ほどです。

フィリピンの大学へ正規留学する場合に求められる英語力はどのくらいですか。

一般的にTOEFL iBT 80以上またはIELTS6.0以上ですが、留学する大学によって異なります。

フィリピンの大学で医学部を卒業すれば、フィリピン国内で医師として働けるのですか。

いいえ、フィリピンでは原則、フィリピン国籍保持者かフィリピン人の配偶者以外の外国人が医師免許を取得することはできません。

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この記事を書いた人

学生時代に交換留学で1年間イギリスに留学。卒業後は、日本語教師として働きながら、フランスでワーキングホリデー留学と語学留学を経験。現在は、マルタ島在住で主にフリーランスライターとして活動。

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